FC2ブログ

記事一覧

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

記憶・永遠 1

CIMG5759.jpg

記憶にはこんな働きがある。

「私たちがかつて眺めた一つの物を
もう一度見るようなことがあると、
それは私たちが注いだ視線や、
当時その視線を満たしていたすべてのイメージを、
いっしょにもたらしてくれる」

これはプルーストが述べている
記憶のよみがえりの一つだが
次に起こす行動のために
有用なデータを記憶から抽出するという
ふだんの記憶の働きとは違って
功利的な有用性を求められていない
たとえばリラックスしているようなときに
フッとなにかを思い出したりするケースだ。

こういうときには
いろいろなディテールがよみがえり
自分が意識せずに
さまざまなことを記憶していたことに気づかされる。

「それは私たちが物を
―たとえばありきたりの赤い表紙をした一冊の本を―
認めると、
たちまちそれが私たちのなかで
なにか非物質的なものとなり、
その当時の私たちの
あらゆる関心や感覚と同じ性質を帯びて、
それらと分かちがたく混じりあうからである。」

現在は物質的で
それが非物質的な記憶になる。

記憶されるのは体験であって
たとえば一冊の本の思い出には
それを手にとったときの自分の
体調や思いが含まれている。

また体験は
ある状況における自分のコンディションだから
内と外の融合であって
記憶としての体験には
外から来た要素も含まれる。

「ふと目にとまった
かつて読んだ一冊の本の表紙は、
そのタイトルの文字のなかに、
遠い夏の夜の月光を織りこんでいる。」

※引用はプルースト「失われた時を求めて」鈴木道彦訳より
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。