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記憶・永遠 8

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過去をありありと思いだすとき
それが過去であることを知りながら
現在であるかのごとくに
体験が推移していく。

現在における
過去のまったき再生。

そんな体験を何度かしたあと
プルーストはそれらの正体が
なんであったのか分析する。

「時間の秩序から解放された瞬間が、
それを感じるために、
時間の秩序から解放された人間を
私たちのうちにふたたび作り出した」

過去・現在・未来という
日常の社会生活に欠かせない
意識の時間モードから
あの体験は「解放」されていた。

「時間の外に位置している以上、
いったい彼が
未来の何を恐れることがありえようか?」

この体験は通常の時間意識の
「外」で成立していて
その意味で超時間的だったので
自分の時間の終局からも解放されている。

「死んでしまえば<時>は肉体から去ってゆく」

しかし、その<時>の働きを
俯瞰できる自分がいた。

『「死」という言葉が
彼にとって意味をもたなくなった』

これは<時>を超えたヴィジョンを
もったということで
それは「永遠に属する」

プルーストは
過去と現在が融合した体験を
超時間的なものだと考え
過去という生きたあかしが
すっかり保存されているということを確信し
それを永遠と呼んだ。

その永遠は
一度発見したら
いつも自分といっしょにいることが分かるので
今日の一日も
永遠とともに生きることができて
それは限りない慰めにもなる。

※引用はプルースト「失われた時を求めて」鈴木道彦訳より
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