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CIMG5371.jpg

早朝、2階のベランダで洗濯物を干していると
木々の緑の様子が昨日とは違った。

昨日までは
日盛りを過ぎた時間帯の家の影や
道端に置かれた鉢植えの植物の下に
まだためらうような秋の気配が
かすかに漂っていただけだったが
今朝は周囲の家屋や
視線が届く限りの光景すべてを
秋の大気が覆っていた。

夏はものがむき出しになって
そこに光が張り付いているようだったが
秋の光は背後に微妙な暗さをもっていて
樹木でも家の屋根でも窓でも
ものの形に穏やかさを与える。

その光景の美しさは
こちらのからだにゆっくりしみこんでくるが
そのゆっくりした感じと
残暑と初冬にはさまれた
秋の不安定な存在感とが一種のコントラストをなして
ゆっくり味わいたいのに
急き立てられているような感じがいつもしてしまい
これまでも今でも
秋の美しさはただ遠ざかっていくもので
留めおきたいのに
それができないと感じてきた。

部屋に入ってPCを立ち上げると
初期画面に設定した
セザンヌの風景画が出てくる。

PCから5メートルほど離れた
部屋のもう一方の端のテーブルから
豆乳で淹れた紅茶を飲みながら
そのセザンヌを見ると
近くからでは荒い筆の動きにしか感じられない色の面が
なめらかなグラデーションをなしている。

画面の左手前には四角い大きな家があって
その奥になだらかな丘が
いくつか段をつけながら連なっている。
段々部分には明るい緑色の草むらのようなものがあり
その濁りのない色調が鮮やかで
しばらく目を離せない。

美しさを留め置けない
自分の無力さは
セザンヌを見ることで
いくぶん和らぐ。
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