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「デカローグ 第7話 ある告白に関する物語」

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「最も深刻なのは心の泥棒である」
キェシロフスキ

母の支配体制から脱出しようとする娘の反乱
これが第7話のテーマだが
背景には孫に対する母親権(?)をめぐる
母性同士の生々しいぶつかり合いがある。

母親はよく訓練された知性優位の女性だが
その娘はむしろ天然で
母親の期待には応えられていない。

その娘がおそらく
母親への反抗心もあって
高校生のとき教師と関係して妊娠する。

この事態に対して母親は
自分も夫も職を辞し
娘の相手の教師も辞職させ
生まれてくる子は
自分の子であるという手続きをとって
事態を収拾する。

この時点で一度
娘は反乱に失敗したわけだが
第7話はその6年後における
2度目の反乱の顛末を描く。

行動開始時点で
娘には計画を成功させる勝算もあったのだろうし
未来への夢もあったはずだ。

しかし、物語が進むにつれ
娘は明るい未来の構成要素を
ひとつずつ失っていく。

子の父親である元の恋人には
夢を諦めてしまった状態に幻滅を感じて
ともに生きていく気持ちは萎え
母親との親権をめぐる交渉はうまく進まず
本当は自分の娘である女の子に
ママと呼んでもらいたいのだが
それまで姉として一緒に育ってきた習慣は
簡単に変わることがない。

最後には、ともかく頼っていた
元の恋人に裏切られて
母親に居場所を見つけられ
幼い子は育ての母親のもとに走り
まったくの孤独の状態で
もはや居場所さえなくなったという理由で
当初の計画通り“脱出”せざるを得なくなる。

知性優位の母親と本能優位の娘との戦いは
母親の勝利に終わったが
この家族の将来がどうなるのかは
6歳の女の子がこの事件をどのように記憶し
その記憶をどのように活かすのかによるのだろう。
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