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「トリコロール 赤の愛」2

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[バランティーヌの成長]

バランティーヌはジョゼフと初めて会ったとき
自分の飼い犬に対する彼の無関心に驚き
おそらく非人間的な面に強く印象づけられる。

その後、ジョゼフが盗聴という違法行為を実施していることを知り
正義感から強く非難するが
ジョゼフが盗聴によって把握した人間の実相には
それなりの真実があることに気づかざるを得ない。

盗聴で明らかになったケースに
妻も娘もいる家庭の夫が
同性の愛人をもっているというものがあった。

バランティーヌはその事実を
夫の妻に明かすべきだと思うが
実際にはそうできない。

事実を明らかにすると
家庭が崩壊するかもしれない
バランティーヌはそう気づき
単なる正義感から行動を起こすことはできなくなる。

母親が子に嘘をつき
必要以上の保護を求めるケースを
ジョゼフはバランティーヌに示す。

バランティーヌは弟が麻薬中毒であることを
母親に対して隠しているので
家族に嘘をつくことが
時には必要な悪であると認めざるを得ない。

バランティーヌは自分の正義観が
社会の実態に対しては無力であると知る。
しかし、バランティーヌの無力の自覚には
慈愛がともなっていることをジョゼフは見逃さない。

ジョゼフにおいてはかつて
無力の自覚が絶望になった。
バランティーヌでは
無力の自覚が愛を涵養している。

ジョゼフはバランティーヌを通して
あるべき正義を求める次元から
愛ゆえの赦しを可能にする次元に移行する。

その結果として、絶望で閉じていた人生を
愛のために開こうとする。
具体的には、不可能な正義を求めて
人を裁くことばかり考えていた自分を脱皮するため
自分で自分を告発する。

バランティーヌは遠距離恋愛の神経質な相手に会うため
ロンドンにフェリーで行くが
その事故に際して
再生した新たなジョゼフ=オーギュストに出会う。

この時のバランティーヌは
無垢な本能に従うだけの少女ではなく
出会いの偶然に運命を感じとれるだけの感性を
すでに備えている。
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