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谷川俊太郎「時」

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                谷川俊太郎
あなたは二匹の
うずくまる猫を憶えていて
私はすり減った石の
階段を憶えている

もう決して戻ってこないという
その事でその日は永遠へ近づき
それが私たちを傷つける
夢よりももっととらえ難い一日

その日と同じように今日
雲が動き陽がかげる
どんなに愛しても
足りなかった
             ~詩集「手紙」より~


二人でこうしてここにいることが
そのまま永遠になるならいいのだが
生命の動きを失った過去としてだけ
永遠が実現する

二人がいっしょにいて
その場から受け取る知覚はほぼ同じなのだが
再生される記憶用の情報は欲求と関心のフィルターを通るので
共通の記憶を持ち合うことはできない

二人がその場で消滅しない限り
愛が足りたとはいえない
消滅してしまえばもちろん
そもそもいうことができない
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