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ビリー・ワイルダー「お熱い夜をあなたに」

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自分でも意外なほどこの映画が好きで
何回か見なおしている。

そしてそのたびに
気持ちが温かくなる。

ロケ地のイタリアの光景が
光に満ちているとか
仕事中心で生活している者は
男性主人公に自分を投影しやすいとか
好きになる理由はいくつか考えられるが
一番は主人公がしだいに魅了されていく女性の
心の純粋さなのだろう。

男性主人公は企業経営を最優先にしていて
効率重視の合理的な判断を
いかにスマートに下すかが重要で
その判断の有効性を周囲に評価してもらうことが
自分のアイデンティを支えている
と思っている。

男はバカンス先で事故死した父親の遺体を引き取りに
イタリアのイスキア島まで来るが
限られた時間内で手早く手続きを済ませようとする。

そこで父親と共に亡くなった女性の存在を知るのだが
その女性は毎年バカンスをいっしょに過ごす父親の愛人だった。

愛人の娘も母親の遺体を引き取りに来ていて
男は彼女をうとましく感じる。

男にとって父親の死は
遺体の処理という事務的な案件だが
彼女は自分の母親が
どんな気持ちで愛する男性とバカンスを過ごしていたのか
その失われた楽園を追体験しようとして
一晩中踊ったあと、夜明けの海を裸で泳いだりする。

男はその行動に付き合わされ
彼女が死者を思う気持ちの純粋さに打たれる。

すると、効率優先の思考パターンが
それまでの支配力を失っていく。

無垢が知性をおとなしくさせる
これがこの作品を好きになる理由だろうか。
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